トロンボーン

トロンボーンがスライド式を採用し続けている理由の一つは、細かい音高コントロールが利く事により、純正律のハーモニーが柔軟に作れることである。その意味では、和音のための楽器、といっても良い。」ってあるが、どうだろう?

実際、細かい音高がコントロールできない楽器はピアノのような物に限られ、特に管楽器なら、逆に安定した音程が出せるかが問題になるぐらい。
楽器、特に管楽器をよく知らない人間なら指使いが正しければ音が正しく出ると思っている人もいるかも知れないが、それが通用するのはピアノ等。
純正なハーモニーを作るのは楽器にかかわらず基本的に奏者の耳、演奏技量の問題。
細かいといより、大胆な連続した音高の変化が可能なところが、他の管楽器との大きな違いだと思うんだが。
もっともスライド式がトロンボーンの真髄かどうかは私にはわからないけど。
楽器は基本的に音色を求めていると思っているので、他の楽器では得がたい物があるのではないかと。
実際、バルブ式にしても音程の変化を別にすれば音色はやはりトロンボーンかも知れない。

あと、歴史的にはトランペットやホルンのようなピストン、バルブの機構はわりと新しく、
倍音列の音だけで演奏していたが、その時にスライドにより自由な音程を得ていたという話があったような気が。
木管楽器なら管に穴をあければすむんだけど、金管は発音原理上穴はあけられないらしくて、音程の変化は管の長さを変えるしかなく、スライド以外の方式がでてきたのは時代があとの話。

そういえば、バロック音楽あたりだとトロンボーンの音は、神の声の意味があるらしい。

音程という意味では、一番難しい楽器?
弦は押さえる位置だけで音程が決まり、管は吹き方と指使いで音程が決まるが、
トロンボーンは吹き方とスライドの微妙な位置で音程が決まるので不確定要素が大きい気がする。

あと和音のためというのはあるかも。
クラシックでは同一系列の楽器でアルト、テナー、バスと幅広くそろえて使う楽器は弦楽器を除けば他にないと思うし、これが単一な音色での和音を想定している使い方のような気はする。
もっとも、ホルンは音域広いし、ダブルの楽器があるからホルンも負けていないかも。